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Face To Face No.17「NOと言わないー大丈夫、なんとかなる!ー」
32回生 本田公美子
高取台中学卒業
生物部

オリジナルケーキ制作
介護福祉士






―介護とオリジナルケーキの二刀流―
 時には、9時間にも及ぶこともある介護福祉士としての仕事を終え、自宅に戻り食事をすませる。 ほっと一息ついて気がつけば23時。さあ、注文をいただいているオーダーケーキを作ろう!お菓子を贈る理由、どんな場面で召し上がるのか、召し上がる方の趣味・人柄。お聞きしたお話から練ってきたアイデアをいよいよ具体化する。ケーキの注文は多い時はひと月に10個にもなる。年に数度は徹夜になってしまうそうだ。作品のお菓子を載せているブログがきっかけで、お菓子の写真がCDジャケットや、本の記事にもなった。

 「介護という大変なお仕事の後にケーキを作られるんですか?」と、記者が驚くと「それでたぶんバランスをとっているんだと思います」とニッコリされた。 「正直、帰宅した時はくたくたです。でも手を動かしてケーキを作っているとそれがリセットされるんですね。きれいなお菓子には夢があって、みなさん、とても驚き、喜んでくださる。それが嬉しいんです」

―お菓子との出会いー
 独身時代に、お隣の奥様にティータイムにお呼ばれしたのがケーキ作りとの出会いだった。
手作りのおいしいお菓子に美しくコーディネイトされたテーブルセッティング。こんな世界もあるんだと驚き、いつか自分もできたらどんなに素敵かとあこがれた。

 結婚後、お菓子教室に通い、やがて師範の免状をとり、夫の赴任先だった金沢でお菓子教室を始めた。口コミで生徒さんも増え、いつしか土曜日までレッスンが入るほどになっていた。転勤で神戸に戻ることになり、落ち着いたら教室を再開しようと思っていた、そんな時、当時小学校4年生だった長男がぽつっと言った。「生徒さんがいると友だちも呼べない。いつも誰かがうちにくる家はいやだ

 「その時、はっとさせられました。今まで気付いてやれていなかったことを後悔しました」
お菓子教室はきっぱりとやめ、それ以後数年間はお菓子を焼くこともなかった。

―人生の先輩ー
 そうして数年が過ぎたある日、友人から「引き受けてしまった家政婦の仕事がどうしても行けなくなったので、代わりに行ってほしい」と頼まれたのが、介護の仕事への道の第一歩だった。「全くのしろうとだったのに、思いがけなく喜んでいただけたのが嬉しかった」。やがて事務所の人にすすめられ、ヘルパー2級の資格をとり、介護福祉士の資格も取得する。

 「介護で出あう多くのお年寄り。お話をしてお世話をして、本当に人それぞれです。おひとりおひとりの歩んでこられた人生を想い、目の前のご本人を感慨深く見つめてしまうことが何度もあります」と本田さん。

 「認知症でどんなに判断能力が低くなっていても『若い人に迷惑をかけなくない』と、実は思っておられる。それがネガティブに表現されて頑固になったり介護拒否につながっているのだと気付いた時、『この方々は人生の先輩だ』と、とても反省しました」

  誰もがその場に立たないと直視することを避けてしまう「介護」という仕事。まだまだ大きな矛盾をかかえた現場ではあると思う。でも、介護を通して出あった方々から、それぞれ違った多くのことを学んだ。介護の仕事を始めなかったら、一度、きっぱりとやめてしまったお菓子作りを再開することもなかったかもしれないと思う。

―NOと言わないー
 「NOと言わない、大丈夫、なんとかなる!」本田さんのモットーだ。実は、記者は本田さんに直接お会いするまでは、Face Book等から知るその活躍ぶりから、チャキチャキと仕事を手早くこなす女性を想像していた。だが実際にお会いした本田さんは「私はすごく仕事が遅いんです。なんでこんなに遅いんやろ??しゃべるスピードも遅いからかなあ、などと真剣に考えたこともあるんですよ」とおっしゃるおっとりタイプ。でも、頼まれた仕事を自分から断ることはしない。「大丈夫、なんとかなる!」と引き受けてこられたそうだ。そんな本田さんの夢は、性別年齢を問わずに趣味や嗜好の合う人たちが集まれる場所を作ること。そして「世の中広いな〜!まだまだ面白いことがあるんだな〜」って言いたい。


 お菓子を焼く日の湿度、召し上がっていただく日の天気まで考慮できる一期一会のオーダーケーキが好きだ。幼い日に、今は亡き母が色紙を使って教えてくれた「色合わせ」が自分の体の中で生きていると思う。今日も、新しいお菓子を一つ焼き上げた。注文主は長田同級生男子。結婚して26年になる夫から妻へのバースデーケーキプレゼントだ。「おめでとうの言葉と一緒に感謝の言葉も伝えたい。でも、面と向かって言うのは気恥ずかしい」。そんな友人の気持ちを5枚のバラの花びらに託した。「あ・り・が・と・う」
((取材・文・写真 田中直美 2013年11月1日)

 
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2013年総会での震災遺児育英基金チャリティーのために、本田さんが神戸で焼いて送ってくださったクッキー。「会社勤めでも自営業でもないけれど、自分にできることで少しでも母校のチャリティーに役立てるのなら」と原材料費も送料も全てボランティアで参加してくださいました。

  
 


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■CD・書籍記事
河出書房新社「Present Sweets 特別な日、大切な人に贈りたい100のお菓子」掲載
関連ブログ記事
http://komichi.mo-blog.jp/chemin/2009/10/post_6aea.html

 「ナツメ社2011年度版年賀状データ集Pack11200」写真提供
関連ブログ記事
http://komichi.mo-blog.jp/chemin/2010/10/2011_45c7.html

 Office SHINKOU株式会社「あまゆーず10th Anniversary」CDジャケット撮影協力
あまゆーず公式HP http://office-shinkou.com/
関連ブログ記事
http://komichi.mo-blog.jp/chemin/2012/07/thanniversarycd.html
http://komichi.mo-blog.jp/chemin/2012/07/thanniversary-1.html
 
| comments(6)|
本田公美子 (2013/11/06 12:00 AM)
梶さま
大先輩よりこのような温かなメッセージをいただけるなんて!ありがとうございます。
遅ればせながら梶さまのFace To Faceを拝見いたしました。南極に行かれたのですね。南極海からの帰りの航海の部分で思わずハラハラドキドキ!
私の父は航海士でそれこそ世界中の海を航海し、何度も危険な目にも合いましたがさすがに南極まではいくことはなかったそうです。
貴重なお話をありがとうございました。
梶 光雄 (2013/11/05 11:25 PM)
介護サービスを受けている身です。
有り難いばかりですが、料理の上手な方は、感謝しても
しきれません。

身体を無理されませんように。
本田公美子 (2013/11/04 8:42 PM)
昆野さま
ありがとうございます。
喜んでいらっしゃるお顔を身近に拝見できる仕事ができることがとても幸運だと感じます。
来年も32回生茶屋が開催されればぜひお手伝いをさせていただきたいと思っていますのでぜひ♪ぜひ♪
昆野亮子 (2013/11/04 6:31 PM)
その時々その場所において大切なこと、必要なことに心を留めていらしたのだとお察しします。
これからも二つのお仕事で幸せをお届けくださいね。

来年はクッキーゲット出来るかなあ?(笑)
本田公美子 (2013/11/04 11:19 AM)
小坂さま
ありがとうございます。こんなふうに紹介していただきとても幸せでこれからの励みになります。
小阪博司 (2013/11/04 7:29 AM)
心洗われる内容です。
有難うございました。









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