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Face To Face No.79「コミュニケーションが基本」

高28回生上門一裕(うえかどかずひろ)

 垂水中学

 神戸大学工学部土木工学科卒

 山陽電気鉄道株式会社

 代表取締役社長

 阪神電気鉄道取締役

 神姫バス取締役

 

長田生にとって馴染み深い山陽電鉄。そこで既に10年間代表取締役社長を務めている上門一裕さんは、「自分の生まれ育ったこの大好きな地で、どこにも負けない鉄道、魅力的な沿線を作っていきたい」という想いを追いかけてきた。昨年、還暦を迎えた上門さんに、お話を伺ってきました。

 

―登山ー

 中学と大学時代に登山部に所属していた上門さんは、「ひたすら頂上を目指して一歩一歩登っていくしかない」登山に魅了されていた。自然の中に溶け込み、時には高山植物の可憐な姿に癒されながらも、急峻な崖や山道では、ただひたすら忍耐を必要とする登山。

 

「そこになにがあるのかと思われる方もおられるでしょうが、達成したときの喜びやすがすがしさは何にも代えられません」

 

 大学では土木工学を専攻。専門は耐震工学だった。自然を相手にしながら、生活の基盤を担う仕事につきたいと考えるようになる。そして最終的に決めた勤め先が、自分が大好きだった舞子や垂水、須磨を走る山陽電鉄だった。

 

―阪神淡路大震災ー

 上門さんにとっての一番の大きな転機は「阪神淡路大震災」だ。恐ろしい程の地鳴りの後に襲ってきた大きな揺れ。それぞれの部屋で寝ていた子どもたちの無事を確認した上門さんは、単車で西代にある本社を目指した。西代に至る道は、最も被害の大きかった地域の一つ。火事があちこちで起こり、本社の周りの建物は全てペシャンコ。いつも通っていた本社前にあった焼き鳥屋のおばさんも亡くなった。

 

 「耐震工学を学んできた私は、そのような事例の調査や研究ばかりしていたのに、心のどこかで他人事のように感じていました。それが、我が身に降りかかって、改めて人間の無力さと自然の怖さを痛いほどに感じたのです」

 

 土木課長だった上門さんは、24時間不眠不休で復旧のための設計や工事、国や自治体との折衝に関わった。そしてその後、全線開通には半年、完全復旧には一年もの時間が必要だった。

「阪神淡路大震災以降、地震だけにかかわらず、あらゆる災害や事故を見聞するたびに『今、これが自分の身に起こったらどうするか?鉄道会社としてどうすべきか?』と考えるようになりました」

 

―コミュニケーションー

 上門さんが最も大切にしているものの一つがコミュニケーションだ。鉄道会社にはありとあらゆる種類の苦情が寄せられる。とりわけ上門さんが若い時に取り組んだ土木部門では、駅の改築や線路の保守工事など夜の仕事ばかりで、近隣からは苦情の嵐だった。

 

「謝ってばかりでしたね。だから、今も怒られることは苦にならないですよ(笑)でも、その時に学んだのは、苦情に対応するのも、最終的には人と人とのコミュニケーションだということでした」

 

 現場第一主義の上門さんは、今も機会があれば電車の運転台に添乗するし、各職場巡りをかかさない。ある時、クレームの現場にたまたま居合わせ、お客様が「社長を出せ!」と怒鳴っていたので、隣にいた上門さんが、「私が社長です」と答えた。一瞬、とまどったお客様だったが、誠実な態度で接することで、その顔には照れ笑いが浮かび納得していただいた。

 

―台湾ー

 クレームやお客さまからの要望への対応は、個々の社員が臨機応変に誠意をもって対応することが大切と考えている。ある時、台湾からのお客様が電車の中に携帯電話を忘れたが、駅員の計らいであっという間に手元に戻った。とても感激したお客様は、台湾に帰国後、その感謝の旨を大阪にある台湾領事館に手紙で伝えた。そのことを台湾領事館から連絡を受けたという報告を、社員から聞いた上門さんは、「せっかくの機会だ。直接、領事館に行ってこちらからもコミュニケーションをとっていらっしゃい」とアドバイスする。

 

 そして、この出来事がきっかけとなり、台湾の交通部(日本の国交省に相当)台湾鉄路管理局との姉妹鉄道協定がなされた。4年前のことだ。姫路城など山陽電鉄沿線の宣伝が台湾でなされ、今では姫路城にくるインバウンド観光客のなんと四分の一が台湾からのお客様だ。

 

「人口減少が進む中、地方の山陽電鉄だけでは生き残っていけません。『世界にはばたく』山陽電鉄を目指しています。その第一歩となった台湾との姉妹鉄道協定です。韓国、中国ほか東南アジア各国ともっとインバウンドの市場を広げていく努力の最中です」

 

―すぐやる!ー

「とにかく、何事もすぐに解決しないと気がすまない。気が短いんですかね(笑)。問題を後送りにするのが一番嫌で、とにかくその場で解決したい。『検討します』という答えはありえません」と、上門さんは言う。

 鉄道は365日、一日も休みがない。しかも朝から夜遅くまで電車が走り、電車が止まった後は、安全のための保守点検がなされる。あれほど好きだった登山も、社長に就任以来すっかりご無沙汰している。すぐに連絡のとれる場所にいるためだ。今はゴルフが最大の息抜き。長田の旧友たちと行くゴルフは最高だ。

 

「人生は長いようであっという間に過ぎてしまいます。今、やりたいことを全力で取り組んでほしいと思います。問題に直面しても、言い訳したり諦めるのではなく、常に『いま、どうすればできるか、何をできるか』を自問してほしいと思います」上門さんから、現役長田生へのアドバイスだ。

 

編集後記

 「何事もすぐやる」。お言葉通り、インタビューを申し込んだ時も、その後、事前の質問でメールをやり取りした時も、驚くほどのスピードでお返事が返ってきました。社長業でお忙しいだろうにと驚いていたのですが、お話を伺って納得した次第です。山陽電鉄には、私自身も毎日乗って長田に通いました。長田の同期でもある上門さんが、その社長になり神戸の街を、播磨の国を、もっと活気のある地域にと活躍しているのは誇らしい限りです。

 

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| comments(3)|
上門一裕28回生 (2018/11/21 8:39 AM)
さっそくコメントいただきありがとうございます。
先日の神戸マラソンでも山陽電車はスポンサーとして大会を応援しました。皆さんのふるさと「神戸」が元気になって、活性化するようまだまだ頑張ります。

広田(三木)さんお久しぶりです。
2年生の時、同じクラスでしたね。確か美術部で絵が上手だったと記憶してます。今でも画いておられるのかな。当時のことを思い返して懐かしいです。
西代の本社にいますので、よかったらお立ち寄りください。
広田(三木)典子28回生 (2018/11/18 6:34 PM)
上門君?ふわりと高校時代のお顔が浮かんで来たので、同じクラスだった事もあるかと…
西代駅を最寄駅として、生まれ育ち、震災後同じ場所に再建された実家に横浜から毎月介護帰省している私には、山陽電車は大切な生活インフラであり続けています。
その指揮を、もう10年も同級生が取っていらしたなんて、感動です。
今日、たまたま神戸マラソン中に乗車、応援を楽しんでいる人々と幸せな気分を共有して来ました。今後も、ふるさとをよろしく!
水草修治 (2018/11/17 1:19 PM)
 昨年、還暦を迎えられたということは、私の一年先輩でいらっしゃるのですね。山陽電車は懐かしいです。
最近、「Railways 49歳で電車の運転士になった男の物語」というのを見ました。中井貴一さんが主演。
 ある大事な場面で、「電車は運転士だけで動いているのではなく、会社全員が協力して動いている。」というセリフにジーンと来ました。
 https://gyao.yahoo.co.jp/p/00460/v12848/









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