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NO.40 「思考し、変化し、成長しつづける男」

 

 40回生 小森伸昭 
 

 歌敷山中学卒業
 ハンドボール部

 京都大学経済学部卒 
 東京海上株式会社

 アニコム損害保険株式会社
 代表取締役会長
 執行役員



ー環境を自らの手で変革するー

 京都大学を卒業後、東京海上に就職。経済企画庁への出向を経て独立。日本で最初のペットのための共済「アニコム」を立ち上げ、2007年には損害保険免許を取得。現在、14社あるペット保険会社の中でアニコムはシェア約6割を占める。小森伸昭、46歳。

 小森さんは、あらゆる事象を深く「掘る」ことに、何にも代えがたい喜びを感じると言う。「掘る」とは、物事の底が見えるまで調べつくし考え抜くこと。あらゆる真理を分析・解析したい。「何かを考えている時、何かを造りだしている時、最高にリラックスする」そうだ。なんと、家庭での奥様との会話も全て「深掘りするための会話」だと言うから驚く。
 

「たとえば、このガラステーブルを見たとしますよね。『なんでこんなに透明なのにこんなに固いんだろう。分子間距離を調べてみようか』とかね」

「いわゆる『とりとめのない会話』というものはいっさいしないです」。

 

 小森さん自宅のドアノブはとても固い。ドアを開ける度に握力を鍛えるため。廊下には平均台が置かれ、その上を通らないと次の部屋には行けない。体幹を鍛えている。お話を伺った時は冗談かと一瞬思ったがこれは全て事実。「いずれ懸垂で二階の部屋に上がるよう改築しようかと(笑)」
 

 「僕が最も影響を受けた本は和辻哲郎の『風土―人間学的考察―』です。中学生の時に読みました。環境が人間を作るという彼の説に心酔し、ならばなりたい自分を作りだす環境を自分で自分の周りに造り出せば良いと考えたのです」
 

 自宅は、「そこにいるだけで体が鍛えられる環境」という次第だ。
 

―動的平衡・飢餓危機ー

 創業当時は倒産寸前にまで追い込まれノイローゼ状態に。ロープを購入して「自分の体重に耐えられるだろうか」と強度を試したことを覚えている。共済から損害保険会社へ。生き残りをかけ3年の時間をかけて用意した申請書類は数億枚。「大型旅客機設計書ほどの膨大な資料でした」。この時がもっとも苦しかったと言う。

 

 だが、振り返って人生の転機は「阪神淡路大震災」だと語る小森さん。
「それまでは、昨日の努力が今日の自分に反映すると思っていました。でも大自然の猛威の前でそんな考えは吹き飛んだ。人間は一瞬にして死んでしまうのだと体感したのです」

 

 アニコムは、現在60万頭の契約を持つ。「日本最大の健保組合は日立です。組合員数は約40万人。それを考えると我が社は日本最大の健保組合ですね(笑)」
 

 独自のレセプトシステムを構築しているので、協力動物病院から膨大なデータ―がフィードバックされる。 「蓄積したデータ―から見えてきたのは、結局は動物も人間も同じということです。つまり大切なのは食事・水・運動・愛情。これが適切だとかなりの病気を未然に防ぐことができる。アニコムでは検診と健康指導をセット。そして更には飼い主の検診もセットにして、ペットも人間も共に健康でより長い時間を共有できることを目標にする商品開発を進めています」。
 

 アニコム社では、全てのフロアがガラス張り。休憩室までもがガラスばり。全ての会議室もガラスばりで、社員はいつでも小森さんの姿を目にし、小森さんも全ての社員の姿を常に視野に入れている。
 

 社の入り口付近には何やらロボットのような物が展示されている、「ペットのための義手・義足・そして見守りロボットなどの開発を検討中です」。そしてなぜかワインのボトルとお皿にナイフやフォークも。「健康に良い食材を飼い主もペットも一緒に楽しむ、という状況を考えています」
 

 「学生時代は教科書で勉強します。でも社会人になれば自分が教科書を造っていかなければならない。今の自分にしがみつくのではなく、自己破壊し、一度決めたことを脱ぎ捨てる勇気をもたなければ進歩できない。嫌いなものにあえてチャレンジする。そのことによって視野も広がります。数学が得意なんだったら、数学のことは考えないで花を見たりアートを楽しんだり文学を学ぶ。私は大学では農学部に入学しましたが、『文系の本質をしらずして、理系の本質を知っているとは言えないのでは?』と考え経済学部に転部しました」
 

 常に新しいものを吸収し、変化し続ける小森さんは、自らのからだが「動的平衡」であることを明確にイメージしている。現在、基本的に1日一食という小森さん。「動物は飢餓状態にある時にもっとも能力を発揮します。飢餓は危機ですから」
 

 「社員は、『時間なのでお昼に行ってきます』、ではなく『お腹がすいたのでお昼に行ってきます』と気を使ってますね」と笑ってインタビューは終わった。すぐさま会議室から自分の席に戻り仕事を続行する小森さんの姿が、ガラス越しに私にも見えた。
(2015年9月 取材・文・写真 田中直美)

アニコムのHP 
http://www.anicom-sompo.co.jp/

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| comments(2)|
田中直美 (2015/09/17 11:08 AM)
茂木さん、お久しぶりです。
実は、小森さんのお話を伺っている時、私は茂木さんのお話を思い出していました。
http://nagata-tokyo.jugem.jp/?eid=48

「神はのりこえられない試練は与えない」という言葉もありますが、「神様は成功の前には苦難を与えるものだ」の方が私にはストンとおさまるものがあります。でも、私は女性で「成功」という言葉はあまり縁がないので?「神は苦難の後に、真の幸福感を与える」というのが実感でしょうか。
茂木正朗 (2015/09/17 8:22 AM)
阪神大震災が転機になったことや自殺を真剣に考えたことなど私も同じ経験をしていますのですごく共感を覚えました。苦しい時期を乗り越えてからは「神様は成功の前には苦難を与えるものだ」と悟り、以後の苦難も客観的に楽しめるようになりました。
茂木正朗(25回生)









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